開業当初の姿を知る店舗が、また一つ姿を消す。
金沢駅西口に位置する クロスゲート金沢。
その開業当初から入居していたテナントの一つ 「エムザデリマーケット」 が、1月31日(土)をもって閉店します。
特定の有名店が撤退する、というニュースではありませんが、施設がオープンした当初から存在していたテナントが姿を消すという点で、今回の閉店は静かに重い意味を持っています。
エムザデリマーケットとはどんな店だったのか

エムザデリマーケットは、業態としては食品スーパーマーケットでした。
日常使いを前提としつつ、一部にはやや高級な食材や惣菜、ギフト向けの商品も並び、一般的なスーパーよりも少し“上質寄り”の立ち位置にありました。
観光施設でも、食のキュレーションスペースでもない。あくまで「買い物の場」であり、クロスゲートという商業施設に日常的な人の流れをつくる役割を担っていたテナントと言えます。
クロスゲートと初期テナントの変化
クロスゲートは開業当初、「プレミアムフード&レストラン」を掲げ、飲食・食関連を軸にした施設構成でスタートしました。
しかし現在、オープン時に入居していた店舗の多くはすでに撤退しています。
途中で一部テナントの入れ替えは行われてきたものの、開業時の構成がそのまま維持されてきたわけではありません。
エムザデリマーケットも、その流れの中で、「開業当初の姿を知る数少ないテナント」の一つとなっていました。
コロナだけでは説明できない現実
飲食・小売を問わず、コロナ禍の影響が大きかったのは間違いありません。クロスゲートも例外ではなく、特に開業から間もない時期に直撃した影響は大きかったはず。
ただし、コロナ明け以降も状況が大きく好転したとは言い切れず、結果として初期テナントの多くが姿を消していったのが現実。
今回のエムザデリマーケット閉店も、特定の要因だけで説明できる話ではありません。
今回の閉店が示しているもの
今回の出来事を、「核テナントの撤退」や「施設の失敗」と単純に断じることはできません。
ただ一方で、クロスゲート開業当初から存在していたテナントであること、食品スーパーという“日常利用”を担う業態であったこと。この二点を踏まえると、開業時に想定されていた施設のバランスや役割分担が、長期的には成立しなかった可能性は見えてきます。
エムザデリマーケットの閉店は、クロスゲートという施設が一つのフェーズを終えたことを静かに示している出来事といえます。
街は、計画通りにはいかない
商業施設は、計画された瞬間が完成ではありません。人の動き、街の重心、暮らし方の変化によって、常に修正を迫られます。
エムザデリマーケットの閉店は、そうした「修正の途中経過」の一つとも言えるでしょう。
この場所が、次にどのような形で再編されていくのか。
それを記録し続けていきたいものです。


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